雑感

日頃考えている事、感じていることを徒然に書き残します。

私は現役を去っていますが、今でもやる気だけは十分に備えています。

この仕事が好きである事にほかなりませんが

物を新しく生み出すことは夢と希望に満ち

新しい人生が始まるとさえ感じていました。特に量産品を手掛ける事は

その結果に多く巡り合う事ができ

感激ひとしおです。

しかしその思いに反して最近

自分の物を持つ事にこだわりを感じなくなってきました。

物には姿がありますが、何も存在しない無に対して

大いなる魅力を見つけ出してしまったのです。

そのような事を言っては仕事がなくなってしまいますが、

よくよく考えてみると物の存在は結果が生み出す

効果の大小によって評価されているのです。

そんなことに気付くまで人生の半世紀以上を無駄に過ごしてしまいました。

つまり有益な効果だけが残る実態が存在しない無の世界が理想なのかもしれません。

そう考えるとプロダクトデザインの本質が見えてくるような気がします。

悩み事

人間て、悩み事が尽きないですね。
 
それこそが人として他より優れている 証なのだと思っています。

志向の広大な広がりがある故に いろいろな場面や出来事 可能性に付いて考えあぐね、

その結論を見出す事ができないと すべてが悩み事となってしまうのでしょう。


新しいものを考案しようとする時、付帯する条件は無数に存在する事に気付きます。

それぞれの生活スタイルや成長過程で得た経験知、空想の世界を漂う遊び心 等混沌とした

付帯条件を即座に頭の中で整理しきれず これまた大きな悩みごとの一環となります。


ここにプロダクトデザイナーが出現して一括で答えを導き出せると考えたら大間違いであることを

まずわかってもらえなければなりません。なぜなら彼も他と全く同じ人間の一員なのですから。

彼らにも学習で得た知識や豊富な経験知を駆使した解決策がないわけではありませんが、

それを以てプロのデザイナーと言い切れるのでしょうか。

少なくとも私にはとても胸をはって言い切ることはできません。

日常こなしている仕事内でどのように解決しているかと言えば、心を静めて事象の整理を行い その中に存在す

る僅かなきらめきを見落とさないように心がけているだけなのです。

世の中には天才デザイナーという一握りの存在があることは確かかもしれませんが、

現実をただ上手に切り抜けているだけだと考えることは、

私のやっかみなのでしょうか?

私は50年以上この仕事をこなしてきましたが、いまだに一握りの自信をつかむことすらできません。

ただ一つ私が心に留めている事は、常に誠実な人間たれ、と言う事だけなのです。
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かなり以前に作ったインダストリアルデザインに向けた

Blogがまだ残っていました。当時を振り返る資料としてリンクを掲載します。